SE父さんの事件簿

二児を育てるシステムエンジニアのお父さん。第二子誕生からの記録。

昔話・童話絵本への回帰

「ほんとうはね、そうじゃないんだよ」

昔話に対するディズニーの影響がこの世界の片隅に広がっています。いま読んでいる絵本はラプンツェルラプンツェルの親は王様とお后様ではない設定、魔女の庭に生えているラプンツェルを盗んで食べてしまったことで娘を魔女にとられてしまうところから始まります。四歳児には知っている話とのギャップに戸惑いが隠せません。

週に数十冊の本、絵本を繰り返し読み上げますが、昔話・童話への集中回帰が始まっております。

童話には教訓がセットと思っていると、意外とそうでもないものです。「ジャックと豆の木」では、ジャックは大切な牛を豆と交換してしまうし、人食い鬼から物は盗むし、これは何を言いたかったんだっけというところ。そう、ハラハラ感とワクワク感以外の何物でもありません。ただ落ちは版により異なるようです。

童話で多いのが一寸法師のごとく小さな子供が活躍するお話。一寸法師、おやゆびこぞうとありますが、なかでも四歳児が気に入ったのがパトゥフェのお話。スペイン・カタルーニャのお話だそうです。豆粒ぐらいの男の子のパトゥフェが歌う唄「パタン、パティン、パトン 、ふむなよ ふむなよ パトゥフェがいくよ」がゴロが良くお気に入りで、自らも歌いながら歩いていました。もうあなたは大きくなってきましたよ。

最近は女の子に焦点を当てた絵本も。「ちからもちのおかね」では、「なぜおかねが殿様に土下座が必要だったのか」、「土下座を不要とした天下御免は何なのか」、七歳児も歴史の勉強をします。

同じシリーズでは小さなキャベツの本も読みました。女の子がお手伝いしてくれないのでお母さんが色々な人?に助けを求めていきます。小さなキャベツが花をさかせたがらなくて、女の子が水をあげたがらなくて、お母さんは次々に助けを求めていきます。女の子がすごいというよりも、お母さんがすごい。

最後に、おなじみの「シンデレラ」。いくらでも版はありそうですが、バーバラ・マクリントックさんのお話は、お姉さん達もお母さんも改心するウルトラハッピーエンド版。妖精さんが使う魔法「フーマス バルーマス!」に子供達も「ビビディじゃないっ」と目が点でしたが、美しい絵と展開に惹き込まれる、惹き込まれる。グリム童話で読むお姉さんたちの足を小さくして靴に入れようなんて怖い下りもありません。

このバーバラ・マクリントックさんは子供たちお気に入りの「ふたりはバレリーナ」、「ないしょのかくれんぼ」等の著者。絵の配置や物語もバーバラさんらしさがにじみ出ています。

ラプンツェルを読み終えると四歳児が改めて呟きます。

「ほいくえんのおはなしだと、ちがうんだよ」

昔話・童話は同じ話でも違う落ち、微妙にぶれる展開があっていいんです。そういう話もあると思っていれば。それが子供の何になるなんてわかりませんが。