「せみはどこにいるの?」
自転車で信号待ちをしていると、乗っていた三歳七か月の次女が質問してきました。夏になり蝉が身近です。公園では、蝉の抜け殻を見つけるとキャッキャと集めています。家にも抜け殻を持ち込み、妻が「ひぃっ」と叫びます。
「木の上だよ、ここからは見えないね」
「おかーさーん、って泣いてるの?」
蝉が鳴いている理由が気になっているようです。そうね、泣くこともあるのかもね、なんて思いを馳せつつ「お友達を探しているんじゃない?」と応えてみます。
「じゃ、いろんなところで泣いている蝉はお友達じゃないのかなー」
確かにお互いが呼び合っても解決しません。子供の視点は父親の思考の斜めに来ます。頭が柔らかくなりそうです。
信号が青に変わってしまいました。鳴かないメスのお話は、また今度です。