SE父さんの事件簿

二児を育てるシステムエンジニアのお父さん。第二子誕生からの記録。

「蜜蜂と遠雷」を読んで音楽と子育てを考えている

「世界は音楽に満ちている」

巡り巡って恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を読みました。ピアノコンクールをめぐる天才たちの音楽や人生のぶつかり合い。この本を会社の先輩から勧められてから気になりつつ、鬱々とした状況に新鮮な空気をいれる気持ちで読み始めました。

それまでに恩田陸さんの本は読んでいなかったので、この本に入る前に「木洩れ日に泳ぐ魚」や「六月の夜と昼のあわいに」なども読んでみていました。「木洩れ日に泳ぐ魚」は狭いアパートの一室の二人の会話と思考のやりとりだけなのに、広がる息の詰まる展開に一気に読まされてしまいます。直接読みたい本を読まなかったのは、ハードカバーしか出ていなかったというだけの理由です。

ようやく、そして結局ハードカバーで手にした「蜜蜂と遠雷」は、子供が寝静まってから一気に読み切ってしまいました。昔から面白いと思った本を手にすると、夜中も読まずにはいられないという私の悪い癖です。これまでに幾度も清々しい読量感と共に後悔を重ねたか知りません。夜に起きてきた奥様の視線が痛かったです。

この本では背景としてクラシックを取り囲む状況を描きます。歴々と先人に積み重ねられた世界です。読みつつ、今後自分の子供に楽器を学ぶ機会があったりするのかなと想像していました。あるとしたら、なによりも弾きたいと思った時に、何かの楽器を弾けるというのはきっと幸せなことです。フロンティアにいる興奮はどのエリアでも感じることはできます。

とはいえ楽器を学ぶコストと練習可能な環境があるのかという現実が目の前にあります。いやはや子供を育てるというのは大変なものです。