平和は貴重なものだ。戦争はすべきではない。このことは簡単には言い表せるようで、なかなか簡単には伝えられない。
子供と谷川俊太郎さんの「へいわとせんそう」を読んで、そんなことを考えていた。シンプルな言葉と、シンプルな絵、この二つで大人にもグッとくる絵本だった。相手を想像する。相手は同じ人だ。
私の父が長崎に生まれて、しばらくしてすぐ近所に原爆が落ちた。小さかった叔父たちは、原爆の落ちた凄惨な風景を歩いたらしい。叔父に教えてもらったその風景はまさに原爆資料館などで伝える風景だった。一番年上の叔母は弟たちに目を伏せて歩くように言い、手を繋いであるいたらしい。この教えてもらった記憶を私の子供に伝えることもいつかあるだろう。子供が視界を気にせず笑顔で暮らせる世界であり続けて欲しい。
もう暦の上では夏。8月に入るとまたこの本のことを思い出しそうだ。