SE父さんの事件簿

二児を育てるシステムエンジニアのお父さん。第二子誕生からの記録。

王さまのお菓子

「どこにしようかなー」

子供たちが悩んでいます。

「わたし、ここかなー」

厚みのあるところを選びます。

「えー、やっぱりママ選んで~」

選ぶことを放棄し始めました。

「やっぱりここがいい」

厚みのある所を選びました。

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目の前にしているのはガレットデロワ。フランスでお正月に食べる伝統的なお菓子。絵本「王さまのお菓子」を図書館で読んで「食べてみたい!」と探してみたら近所のケーキ屋さんで作っていました。

ガレットデロワはアーモンドクリームをパイ生地で包んだお菓子です。中に小さなフェーブと呼ばれる陶器の人形が入っていて、当たった人がその一年良いことがあるという楽しみがあります。当たった人がケーキについている王冠をかぶるというイベントもあり、どこを食べるかという選択に気合が入ります。

「あっ、見えるよ!」

子供達ではなく母親が当たりました。出てきたのは陶器のカバン。王冠は下の子が被って、自作のお星さまの杖をもって妖精気分に浸っています。

「来年は薄いところにするぅ」

今年、良いことがありますように。

少しの背伸び

図書館からの帰り道、次女五歳が一生懸命本を読んでいました。読んでいたのは「アッチのオムレツぽぽぽぽぽーん」。初めて借りた、少しお姉さんの本です。

上の子も昔読んでいたこのシリーズ。あわせて「おいしい国のまじょ子」や「へんてこもりのまるぼつぼ」など、姉に場所を教えてもらいながら一生懸命選んでいました。

少し背伸びして本を選ぶことに一生懸命だったからか、図書館からの帰りはちょっとぐったり。夜には「はじめてのオーケストラ」や「みならいサンタ」、「サンタクロースと小人たち」を父親に読み聞かせてもらっていました。

選んできた残りの本は明日から読むのかしら。それともお姉ちゃんのときみたいに読み聞かせかな。背伸びを始めた次女の寝顔を微笑ましく眺める父親です。

 

くつのあな

「ママが買わなきゃねって言ったからー」

次女がつぶやいています。

よく動き、よく本を読む姉の靴に穴が開きました。親指を靴の中で動かすと外から中が見える、ちゃんとした穴です。夏休みのアフタースクール(学童保育)で色々なところに連れて行ってもらい、親とも旅してよく歩いた結果です。毎日登校する靴、幾度となく地面に下ろされてきました。

「わたしも穴あいてるよー」

次女の主張です。

「ほらぁ」


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姉妹で実物を見せてくれます。れっきとした穴が開いている姉の靴に対して、妹の靴はかかとが擦り切れている位です。まだまだ履ける気がします。ただ姉だけ新しい靴を買ったら拗ねるんだろうなぁ。二人ともサイズは足りそうなんだけど。

主張を終えた妹は「好きな虫がいっぱい載ってるー」と絵本「くさはらどん」を持ってきました。虫を見たら歩けなくなるのに。

 

「おにのおにいさん」を読み上げる

「お に の お に  さ ん」

朝食が終わると次女が通常よりもたどたどしく絵本を読み上げております。お気に入りで昨日は2回繰り返し読むことをお願いされた「おにのおにいさん」です。

彼女の目の前には家中のお人形が勢揃いしております。そう、お人形に対して読み聞かせをしてくれているのです。絵本をさかさまにしているので、たどたどしさに拍車がかかっています。

さて読み終えた次女ちゃん、次に長女に絡み始めました。遊んでほしいようですが姉は姉でブラックダイヤモンドに夢中。まったくもって遊んでくれません。「なんで遊んでくれないの~」とママのところにいいつけにいきました。

 

四歳児、小さな折り紙にチャレンジ

「パパー、この紙でカブト作って」

四歳児がマイクロチップを彷彿とさせるぐらいの大きさの折り紙を渡してきました。私の指ではどうにもなりません。2本のピンセットが必要です。

工作好きの次女は折り紙も好き。図書館から折り紙の本を借りてきて製作に勤しんでいます。はさみを使うのも好きなので最適な本です。

とはいえ自分で作り切れるかというとそうではありません。少し難しくなると途中の作品を持って私のところにやってきます。ハクチョウ、バラ、ウサギを手伝ったかな。どうやら「なかわりおり」、「ふくろを作ってつぶす」といった折り方が出てくるとわからなくなるようです。

そして現在はカブトを小さく折るというのにチャレンジしているようです。「さすがにこの紙は小さすぎるや」と匙を投げると、この大きさならできたよと教えてくれました。器用に作るものです。


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昔話・童話絵本への回帰

「ほんとうはね、そうじゃないんだよ」

昔話に対するディズニーの影響がこの世界の片隅に広がっています。いま読んでいる絵本はラプンツェルラプンツェルの親は王様とお后様ではない設定、魔女の庭に生えているラプンツェルを盗んで食べてしまったことで娘を魔女にとられてしまうところから始まります。四歳児には知っている話とのギャップに戸惑いが隠せません。

週に数十冊の本、絵本を繰り返し読み上げますが、昔話・童話への集中回帰が始まっております。

童話には教訓がセットと思っていると、意外とそうでもないものです。「ジャックと豆の木」では、ジャックは大切な牛を豆と交換してしまうし、人食い鬼から物は盗むし、これは何を言いたかったんだっけというところ。そう、ハラハラ感とワクワク感以外の何物でもありません。ただ落ちは版により異なるようです。

童話で多いのが一寸法師のごとく小さな子供が活躍するお話。一寸法師、おやゆびこぞうとありますが、なかでも四歳児が気に入ったのがパトゥフェのお話。スペイン・カタルーニャのお話だそうです。豆粒ぐらいの男の子のパトゥフェが歌う唄「パタン、パティン、パトン 、ふむなよ ふむなよ パトゥフェがいくよ」がゴロが良くお気に入りで、自らも歌いながら歩いていました。もうあなたは大きくなってきましたよ。

最近は女の子に焦点を当てた絵本も。「ちからもちのおかね」では、「なぜおかねが殿様に土下座が必要だったのか」、「土下座を不要とした天下御免は何なのか」、七歳児も歴史の勉強をします。

同じシリーズでは小さなキャベツの本も読みました。女の子がお手伝いしてくれないのでお母さんが色々な人?に助けを求めていきます。小さなキャベツが花をさかせたがらなくて、女の子が水をあげたがらなくて、お母さんは次々に助けを求めていきます。女の子がすごいというよりも、お母さんがすごい。

最後に、おなじみの「シンデレラ」。いくらでも版はありそうですが、バーバラ・マクリントックさんのお話は、お姉さん達もお母さんも改心するウルトラハッピーエンド版。妖精さんが使う魔法「フーマス バルーマス!」に子供達も「ビビディじゃないっ」と目が点でしたが、美しい絵と展開に惹き込まれる、惹き込まれる。グリム童話で読むお姉さんたちの足を小さくして靴に入れようなんて怖い下りもありません。

このバーバラ・マクリントックさんは子供たちお気に入りの「ふたりはバレリーナ」、「ないしょのかくれんぼ」等の著者。絵の配置や物語もバーバラさんらしさがにじみ出ています。

ラプンツェルを読み終えると四歳児が改めて呟きます。

「ほいくえんのおはなしだと、ちがうんだよ」

昔話・童話は同じ話でも違う落ち、微妙にぶれる展開があっていいんです。そういう話もあると思っていれば。それが子供の何になるなんてわかりませんが。

お気に入り

「およーふくはどこ?」

お気に入りを着るんだと突き出した口が、眠そうなはれぼったい眼の下でこちらに向けられております。次女が衣替えで再会した青いワンピースです。

裾の長めのそのワンピースは座ると自分の周りにふわりと広がります。そしてくるっとまわるとスカートも一緒に踊ります。まさにプリンセス。休日の日になると必ず着ています。

乾燥がおわった洋服に目をやると青い袖口が目に入ります。ここにあるじゃない、と渡すと喜んで着替えに戻っていきました。人気の服はゴールデンウイークに仕舞う暇がありません。

今日はお出かけです。絵本で見た博物館へ行く日です。姉はまだ寝ているようです。早くいかないと混むなぁと寝室に目を向けます。朝食で起こすことにします。

「きがえおわったよ!」自慢げな四歳児が戻ってきました。七分丈のずぼんを着て、スカートから見えないというのがお姉さん気分を押し上げているようです。